大黒です。震災対策室に来ています。
ここでは、みんながそれぞれの役割をもって忙しく働いていますが、僕は今、放射線対策で今後「退避指示」等が決定された時に、さまざまな事情で実家に戻ることのできない学生さんが迅速に安全な地域に退避するためのマニュアル作りを進めています。
ニュースを見ながら一喜一憂、卒業証書を受け取りにきた4年生の真摯な言葉に感激、福島大学長のメッセージを読んで憤慨(みんなで声をあげよう!)、ガソリン調達のためにみんなで長い列に並んで地域の人たちと井戸端会議――ここでは、震災業務の他、日々いろんなことをやり、いろんなことが起こります。
いろいろ思うことはありますが、実感したのは、行政政策学類のこれまでのあらゆる活動が「震災対策」になっていたということです。震災直後の食糧調達に遊休農地つながりの皆さんが協力をしてくれましたし、避難所で必要なカセットコンロ用ガスボンベや紙コップは研究室から次々と出てきます。ゼミの芋煮会で鍛えた腕で大会議室を使って、大人数のための食事が作れます。そしてなにより、日頃培った学生さん同士、そして学生と教員との繋がりが、迅速な安否確認と連絡網の整備に繋がっています。人と人との「結」が、こうした時にはもっとも大切であることを実感しているところです。
こうした忙しい毎日のなか、忘れていたのが、自分が研究者だってことでした(笑)。
研究室が地震でひどいことになっていながら、そのままになっています。みなさんも慣れ親しんでいる教員研究室ですが、現在の様子は、こんな感じです↓
ひどい!
片づけるのにひと月はかかりそうです。きちんと読んだ本だけを片付けるのなら、数日で終わるかもしれませんが…(笑)。7階8階といった上層階の研究室が特にひどいようです。この写真は、僕の研究室(7階)のものです。
あれ、よく見ると、写真の左上あたりに、いつも高いところから僕を見下ろしていたはずのドナルドが、おしりを向けてひっくり返っています(笑)。ドナルドもちょっとした被災者になっていたようです。
さて、この写真どこから撮ったんですか?という疑問もあるでしょう。どうやって研究室の奥まで行けたんですか?
もちろん、本の上を歩いてです!貴重な本の上を土足で歩くなんてできないと思っていましたが、普通にできました(笑)!
↓の写真は、新村さんが自分の研究室をとった写真です。本の上に堂々と立っている自分の足が写り込んでいます。
↓の画像は、研究室に入り込んだ泥棒が、発見されて窓から逃げ出そうとしているところのようですが、ここは8階、清水研究室です。
研究室もこんな状況ですし、なにより、原発の状況が安定せず、今後大学が通常業務にいつ戻れるのか、あるいはほんとうにそんな時期が来るのか、心配な毎日が続いています。首相をはじめ「復興」を口にする人も多いのですが、私たちは、また被災地域にいるみなさんも、ひとそれぞれ、まだまだ直近の課題に追われている状況ではないでしょうか。
それでは、僕に救われた小さな被災者ドナルドからの伝言です↓
「みんな、自分が今やるべきだと思うことを、存分にやろう。ボランティアに行きたい人は行こう!仕事をしたい人は仕事に行こう!勉強したい人は勉強しよう!家族の安全を最優先に守りたいという人はそうしよう!ゆっくり休みたい人は休もう!友達に会いたい人は会いに行こう!」
最後に、新学期の開始が遅れたので、ブログを読んでくれている学生さんへ課題を出します。
画像に写っている、「たかの由梨ビューティークリニックの従業員」のようなドナルドの友人(黒い)は誰でしょう?分かった人は、メッセージを書き込んで下さい!
次回は丹波さん、お願いします。